Vol.2 ラグビーが好き、ラグビーをやりたいという情熱   2011.09.16


夏の陣。日本そして岐阜県のほぼ中央部に位置するここ郡上の地に、
北海道の荒波にもまれ、体がひとまわり、大きく、たくましい選手を連れて現れた船頭が、
今シーズンの抱負を語ってくれた。


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清水 まず北海道での合宿について、無事成果があげられたこと嬉しく思っております。選手の体つきが春シーズンに比べ大きくなっていることがうかがえます。

遠藤 ありがとうございます。北海道は環境が整備されていて、計画通り成果をあげることができました。選手達の体重も各人4~5kg増量し、コンタクトフィットネスも上がってきました。ただし、今の状態ではサイズの大きなリーグ戦上位校とまともに戦ったら勝てないので、我々は独自性をもった戦略を練らなければなりません。その戦略、戦術の精度を上げる合宿がこの郡上での合宿になります。


堅実でチームプレーに徹することができる選手を土台にチームを作りたいと思ったのです。スーパースターはいりません。

清水 課題は明確になってますね。ポイントが絞り込めれば選手も理解しやすく、対応もしやいように思います。その中で私の所感ですが、昨年での課題点を踏まえてなのか、チームの雰囲気が変わった感じがします。何か方策を練られたのでしょうか?

遠藤 鋭いですね。実は2つあります。1つ目はチーム戦略の変更です。今までは一部残留を目標に勝利のみに徹しました。結果が出なければ、未来がなかったからです。しかし、それでは毎年その場となってしまいいつまでたっても最下位のままです。そこで土台作りに注力しました。

清水 土台作りですかか!具体的に説明をお願いしてもよろしいでしょうか?

遠藤 それは人間力の形成です。いわゆる人間性の構築。挨拶や思いやり、ルールを守るといった当たり前のことを当たり前のようにやる。そういう選手はブレがない。いい加減な選手は波があり、チームに与える影響が大きい。よってチームの良し悪しが日に日に変わるので計算できない。であれば、堅実でチームプレーに徹することができる選手を土台にチームを作りたいと思ったのです。スーパースターはいりません。普通が一番強いのです。

清水 なるほど!ラグビーはチームプレーですから同感です。あと1つは何でしょうか?

遠藤 主将の選定です。今期の主将の清川君は一度もレギュラーで試合に出ていないんです(笑)

清水 なんと!(驚)基本はラグビーが上手い選手が主将というイメージがありますが…

遠藤 主将はルールを守れる 人に優しくできる人間です。ラグビーのテクニックだけではありません。人として尊敬される人間でなければなりません。責任と自覚をもって一生懸命やってる人に人はついてくる。それがまとまればチームになる。そのチームが一番強いのです。

清水 なるほど!昨年と雰囲気が違ったのはそういうことですね。


テーマは「ワイドラグビー」です。ただ単に展開するラグビーではなく、ブレイクダウンを攻略する為に有利な場所で戦う。

清水 今年のチームコンセプトを教えていただけますか?

遠藤 拓大のテーマは「ワイドラグビー」です。ただ単に展開するラグビーではなく、ブレイクダウンを攻略する為に有利な場所で戦う。速さとフィットネスを駆使して相手の薄いところで接点を作り、広くスペースを使い、ボールを動かす。いつかDFに穴が開くのでそこが勝負。その為に、今年は2倍のフィットネスを行いました。

清水 2倍になりますか!すごいですね…

遠藤 信頼できるフィットネスコーチを保有し、ケアをしっかり行い、土台が出来ました。今年は昨年と少し変わった拓殖大学のラグビーを見せれたらと思っています。


大事なのはレベルや名誉だけじゃなく、ラグビーが好き、ラグビーをやりたいという情熱

清水 ラグビーへの探究心。さすがです。

遠藤 私は悪い言葉で言えば「ラグビーバカ」なんですよ。選手には思う存分ラグビーをさせてあげたいのです。その為に全力を尽くす!それだけです。

清水 そんな遠藤監督だから部員が100名の大所帯になるんですね!みんな遠藤監督の拓殖大学でラグビーをやりたいと。

遠藤 そうであれば嬉しいですね!監督としては部員にラグビーの楽しさを味わってもらいたい。今年は下のチームの選手を学生クラブで公式戦の緊張感や雰囲気を味わってほしくて登録を考えてます。決定は選手の意思を尊重して慎重に決めたい!一度のシーズンですので。でも大事なのはレベルや名誉だけじゃなく、ラグビーが好き、ラグビーをやりたいという情熱です。どこにいっても一度拓殖大学ラグビー部に入ったら仲間です。そう思える人間がたくさんいるチームを作りたいです。


目標を高くスモールステップで頑張りたい

清水 最後になりますが、今年の目標を教えていただけますか?

遠藤 リーグ戦ベスト4です。目標を高くスモールステップで頑張りたいと思っています。OB方もぜひ足をグランドに運び選手を応援してください。宜しくお願い致します!

清水 期待しております!OB会ならびにオリバーズは全力でサポートさせて頂きます!本日は貴重なお時間を頂き本当にありがとうございました!

インタビューの影に遠藤監督という人間を見ました。彼の情熱が選手に伝わり、良いチームになっていくと思います。良い伝統を作り、新しい歴史を刻んで頂きたいと思います!


※本記事の掲載にあたっては拓殖大学ラグビー部の許諾を得ています。(オリバーズ広報)